だけど。
 その分、後回しにしている。
 龍輝くんは龍輝くん自身のことを。
 思える、そのように。

 そのことが、とても気になるし心配になる。





 今回は。
 泊まってくれる。
 龍輝くんも諏藤(すどう)くんの家に。

 だから、とりあえず安心。



 だけど。
 私のことを気遣ってくれている龍輝くん。
 そんな龍輝くんも私と同じ。


 龍輝くん(私の姿)も私の家で過ごす。
 そうすると接することになる。
 入れ替わりの事情を知らない私の家族と。

 そのことは。
 龍輝くんにとっても精神的に疲れて大変。
 そう思う。







 私の思っていること。

 それが龍輝くんに伝わったのか。


 言ってくれた、龍輝くん(私の姿)は。
 やさしい笑顔で。
「初めて茉蕗(まろん)に入れ替わった日、
 茉蕗のご家族と初めて接したけど、
 茉蕗のご家族はみんな良い人たちだから
 一緒にいてすごく居心地が良かった。
 また話をしたい」と。



 みんな良い人たち。
 すごく居心地の良い。
 また話をしたい。

 私の家族のことをそう言ってくれた、龍輝くん。


 そんな龍輝くんの言葉。

 ものすごく嬉しい気持ちになった。