ここは誰かの部屋、なのだろうか。



 私以外に。
 男子が二人、女子が一人。

 見た感じの年齢は。
 高校生くらいの男子と女子。
 それから。
 大学生くらいの男の人。
 見える、それくらいに。


 全員、見たこともない知らない人たち。





 それから。
 聞き間違いではなければ。

 呼んでいる、三人とも。
 私のことを『龍輝』とか『龍輝くん』と。


 本当にそう呼んでいるのであれば……。

 今、私は龍輝くんになっているということ―――っ⁉



 龍輝くんと初めて会い。
 今後のことを打ち合わせしてから。
 まだ二日しか経っていないのにっ。


「……?
 どうした、龍輝」


 きっと。
 しているのだろう、今の私は。
 ものすごく驚き動揺している表情(かお)を。


 見ている、三人は。
 私のことを。

 心配そうに。
 というか。
 不思議そうにも見える。
 そんな表情(かお)をして。



 いかなかった、簡単には。

 なってしまった、実際に。
 龍輝くんの姿に。

 そのときに。
 冷静な気持ち。
 なれる、そういうふうに。
 そんなことなんて。