「――き」


 え……?


 ……声……?

 聞こえた。
 誰かの。


「龍輝っ‼」


 そう感じたとき。
 迫力のある声で呼びかけられ。
 驚きのあまり心臓が勢い良く飛び跳ねた。


「どうしたんだ、龍輝。
 急に意識を失うように眠ったから驚いただろ」


 意識を失う?










 そういえば。
 座っていたはず、今まで。
 地元の公園内にあるベンチに。

 春の気持ちいい空気に包まれながら。
 眺めていた、きれいな木や花や草たちを。


 そのあとは。
 行く予定だった、公園内にある図書館に。





 今日は土曜日。


 学校も休み。

 そして。
 天気も良く。
 絶好のお出かけ日和。



 なので。
 来ていた、公園に。
 美しい自然たちに癒されたくて。







 そのはずだったのに。
 どうしたのだろう、それから。



 ここは……。
 室内……?

 わかった、そういう場所にいることは。


 だけど。
 どう見ても。
 ここは図書館の中ではない。





 それじゃあ、ここは一体どこなの?