「それで、あの子たちの中にファンクラブの会長と副会長がいるはず。
その二人が中心になってファンクラブのメンバーを募集していたから」
廊下の曲がり角のところから覗き込んでいる三人の女子。
その人たちの中に会長と副会長がいる。
彼女たちが中心になって私のファンクラブをつくった。
そのことを知り。
伝わってくる、彼女たちの熱い思いが。
……だけど。
その思いが伝われば伝わるほど。
申し訳ない。
増してくる、そういう気持ちが。
そんな気持ちでいると。
辛くなってくる、遠い距離でも。
彼女たちと顔を合わせている。
そのことが。
「そうしたら、あっという間にメンバーが集まったらしくて。
比較的、女子が多いみたいだけど
男子も結構いるらしい」
変化している。
ものすごいスピードで。
昨日の一日でこんなにも私の中の世界が変わるなんて。
「とにかくすごい人気だよ、茉蕗は。
学校内のアイドルって感じ」
この状況に。
まだまだ驚きと混乱が残る。
だけど。
今は美術室に行き落ち着いて授業を受ける。
そのことが優先。
そう思いながら。
廊下の曲がり角のところから覗き込んでいる三人の女子に軽く会釈をして。
私と帆夏ちゃんと南穂ちゃんは美術室へ向かった。