って。
 おかしい、何かが。

 モヤモヤする、心の中が。
 あまりの違和感に。



 そういう勝負。

 それなら。
 わざわざ私のことを連れ去らなくても。
 直接連絡すればいい。
 北邑(きたむら)さんや海翔さんが。
『白龍』のチームメートに。
 そういうことではないだろうか。


 こんなにも物騒なことをする。

 その必要はないのではないか。


「思うんだ、負ける(その)たびに。
 次こそは絶対に勝つ‼ 『白龍』に、って」


 膨れ上がっている。
 心の中に疑問が。

 そうなりながらも。
 聞く、続きを。
 海翔さんの話の。


「そう思いながら
 申し込んだんだ、いつものように
『白龍』に勝負を」


 していたんだ、今回も。
 勝負の申し込み。
 海翔さんや北邑さんたちは『白龍』に。


「そうしたら断られた」


 断ったんだ、『白龍』は。
 海翔さんや北邑さんたちとの勝負を。


「今までそんなことなかったからビックリしてさ」


 受けていたんだ、『白龍』は。
 海翔さんや北邑さんたちとの勝負を。
 今までは全て。


「だけど、
 そういうこともあるかもしれない」


 確かに。
 あるかもしれない、いろいろな都合が。
『白龍』にも。

 受ける、全ての勝負を。
 それは無理かもしれない。


「そう思ったから、
 また申し込んだんだ」


 確かに。


 一回断られた。

 それだからといって。
 諦める、勝負を申し込むこと。
 ない、そんな必要は。
 そう思う。


「それでも断られた」


 断った、『白龍』は。
 再び海翔さんや北邑さんたちが申し込んだ勝負を。


「それから何回も申し込んだけど
 全く相手にされなかった」


 勝負をしていた、今までは。
『白龍』も。
 海翔さんや北邑さんたちと。


 そんな『白龍』が。
 断っている、何回も。

 海翔さんや北邑さんたち。
 彼らの申し込む勝負を。



 どうしてだろう。


「『白龍』がどうして俺たちのことを相手にしなくなったのか、
 その理由がどうしてもわからない」


 確かに。


 気になるかもしれない。

 急に相手にされなくなった。
 その理由。


「そう思っていたとき、
 見かけたんだ」


 ……?

 見かけたって?