ドアの向こう。

 そこには誰が……?












 ……なぜだろう。







 わからない、全く。
 誰がいるのか。


 それなのに。
 感じてしまう。
 とてつもないくらい。
 そんな恐怖を。

 もしかしたら。
 存在しているのではないか。
 とんでもないくらいの人物が。





 あのドアの向こう。


 そこは。
 できない、立ち入ることが。

 感じる。
 それくらいの危険なものを。



 そして。
 収まる、そのオーラが。
 そんなことは全くなく。
 溢れ出している、ドアを突き破るように。










 怖い。

 たまらない、怖くて怖くて。


 早く。
 一刻も早く。
 逃げ出したい、ここから。



 そう思っても。
 口は塞がれ、手足は縛られている。

 だから。
 逃げたい。
 そう思っても。
 できない、逃げることが。


 というより。
 手足が縛られていなくても。
 私一人に対して相手は数人いる。

 逃げる、その中で。
 それは。
 等しい、無理に。





 どういう状況でも。
 今の私に。
『逃げる』
 ない、そういう選択肢は。