「おっ、
 目、覚めた?」


 ……?



 眠っていた、らしい。
 いつの間にか。


 目が覚めたばかり。

 それだからだろうか。
 頭が少しだけぼーっとしている。


















 ……それにしても。
 どこだろう、ここは。















 目の前。
 そこには知らない男子が。


 少し離れたところ。
 そこにも数人の男子がいる。

 全員、全く知らない人たち。












 今いる部屋。
 ここも全く見覚えがない。










 どこかの廃墟だろうか。

 とても古くて。
 する、(にお)いが。
 少しだけ湿気を含んだような。







 そういう場所だからだろう。



 使えない、照明器具も。


 明かりは小さい窓から差し込む光。
 ない、それくらいしか。

 なので室内は薄暗い。





 入ってくる、光が窓から。

 ということは。
 昼頃……?



 見える範囲。
 そのあたりに。
 見当たらない、時計が。

 だから。
 わからない、時間が。


 持っていたはずのバッグ。
 なさそう、手が届くところに。

 だから。
 スマートフォンを取り出し。
 確認する、時間を。
 できない、そうすることも。




















 って……⁉



 手が届くところもなにもっ。


 私は今っ。
 縛られているっ⁉
 手足を紐のようなものでっ。

 そんな状態にあるようで⁉