「向陽さん、
今日はまたいつも通りの感じにしたの?」
いつものように学校に来て教室に入る。
そのはずが。
あまりにも突然のことで。
かなりの驚き、そして困惑している。
それは。
クラスメートの女子たち数人が私のところに集まってきたから。
いつもクラスメートの生徒たちとは必要以外の会話もしない。
基本、一人で過ごしている。
それなのに。
そんな私に必要以外らしい会話をしてきた。
だから頭と心の中がパニックになってしまい。
なかなか声を出すことができない。
それに。
彼女たちが言っていること。
その言葉にかなりの違和感を覚えた。
彼女たちは私のことを見た瞬間。
『今日はまたいつも通りの感じにしたの?』と言った。
その言葉は家族にも言われた。
朝起きてダイニングルームに入った瞬間に。
あまりにも意味不明で。
訊き返す、言葉の意味を。
お母さんたちに。
できなかった、そうすることが。
訊けなかったこと。
少しだけ心残りはある。
だけど。
仕方がない。
訊くことができないのだから。
そう思いながら朝ごはんを食べ。
そのまま家を出てしまった。
その言葉をまさか教室でも言われることになる。
そうは思わなかった。
それにしても。
いつも通り、って?
私はいつも同じだけど?