「まだ、終わってないです。」

でも、それもつかの間だった。

唯一立ち上がったコレクションがいたのだ。

「……っ!?」

その人の髪色はコーラルピンク。

短い髪を無理やりくくった一つ結びの髪型で、顔は美しく整っている。

「ターゲットか!」

ターゲットを見つけたことに、頬が紅潮し、ドキドキがまた加速する。

「…ヤバイな。楽しすぎる。」

(それに、ファメとやっと話せた!)

でも、それだけは終わらなかった。

「ファメル、アクリス…?」

なんと、その女性は俺らの声と顔を見て名前を呼んだのだ。

『名前を知ってる…?』

ビックリしすぎてファメも呟いた声と俺の声が綺麗にハモる。

「そ、それにその瞳。」

ファメが遠慮がちに問う。だって彼女は、

マラヤガーネットのような桜色の瞳。

(俺達の家族と同じ、宝石の瞳だから_。)