「ぐっ…!」

見る間にもみくちゃにされて、俺は締め上げられる。

「〈Sapphire〉!!」

「〈Ruby〉指示を…、お前…が必要なんだ。」

蹴られて、殴られて。この人数差では圧倒的な力を持つ方が勝つ。

つまり…ガストン家が勝つことは絶対だ。

「状況を打破でき…るのは〈Ruby〉だけだ。」

(…!)

ファメが息を呑んだのが、インカム越しでも耳に届く。

「まず、ワイヤー使える?巻き付けたら、一気に縛れる…と思う。」

(!)

「オーケー、やってみる。」

タンッ!

まずは照明にワイヤーをグルリと括り付け天井に張り付く。

上を陣取った俺を到底捕まえるのは不可能。

(ここなら、いける。)

人々の腕や足にワイヤーを飛ばして巻き付けていく。

バタッ、バタンッ

人形のようなコレクション達は縛られ、呆気ないほどに崩れ落ちてゆく。

(…操り人形さながらだな。)

操る人が事態を予測出来なければ、その人と繋がっているだけの人形に過ぎない。