ザザッ…

「俺だけで、出来たと思ったのに。」

(ガストンって戦い慣れてない人じゃん。)

ガストンだと分かった瞬間に〈Ruby〉はポツリとなにか呟いた。

「…なにか言ったか?」

「えっ、ううん!何でもない!」

やっぱり、何かおかしい。

誤魔化すのをみて、違和感がつのる。

「…お前、隠し事してるだろ?そんなんじゃ空回りするだけだ。」

「放っといてよ!〈Sapphir〉には俺、絶対に言いたくないから。」

いつしか、ファメの一人称は僕から俺に変わっている。

「お願いだ。ファメの苦しみを知りたい。たった一人の家族だから」

届けと俺は呼びかける。

でも、応答が来ることはなかった。