朝の6時
スマホのアラームが鳴った。
身体を起こしながらスマホを手に取り、
通知の確認をする。
通知の数は多いのに、
どれも重要なメッセージではない。
そんな中、一件のメッセージが
私の目に止まった。
“莉緒、今週の日曜日遊ばない?”
まゆからのメッセージだった。
“もちろんいいけど、
夏休みの課題も持って行くよね。”
“ゔぅ…莉緒厳しい…”
まゆとなら、普通のやりとりでも
なんでも楽しい。
しばらくしてから、制服に着替えて
朝食を作る。今日は終業式だ。
明日から夏休みが始まる。
入学式の時は結べなかった
セーラー服のリボンも、
今は綺麗に結べるようになった。
炊飯器で米を炊いている間に、
冷凍食品をレンジで温めて、
水筒にお茶を入れて、炊けた米と
温めた冷凍食品を弁当箱に詰めた。
弁当に入らなかったものは
朝食として食べて、少しだけ残す。
残したご飯は仏壇にお供えした。
私が幼い頃、母は病死してしまったのだ。
私は母との思い出を覚えていない。
だから、遺影の写真を見てもよくわからない。
「お母さん、行ってきます」
終業式を終え、私はまゆと
下校することになった。
「ねえ莉緒、日曜日のことなんだけど!」
「うん、どこに行くかまだ決まってないよね。」
「そうそう!どこ行く?海とかープールとか〜!涼みたいよねぇ」
まゆはどうやら暑いのが苦手らしく、
夏は基本外にはでてこないのだ。
しかし本人は去年の夏、
あることに気づいてしまったらしい。
そう、ずっと部屋の中でダラダラ
過ごしていると太ってしまうことに…
なので今年は外に出てちゃんと運動をしようとして、私を遊びに誘ったということだ。
「う〜ん…どうしようかなぁ?」
まゆが真剣に悩んでいるのを見て、
私はあることを思い出した。
今日ポストを見た時、少し気になったチラシを持ってきたことを。
「…あ、ねぇまゆ、朝チラシをもらったんだけど…。」
「ん?なになに?『向日葵の里』?」
「そう、ここに行くのってどうかな。途中まで歩きだし、運動にはいいかなって」
「いいね!歩いて、ひまわりも見れるんでしょ?一石二鳥じゃん!」
分かれ道の近くに来た。
「ふふ、よかった。じゃあ他のことはLINEでやろうか。」
「うん!じゃあね〜‼︎」
この後は特に予定はないから、
今日は少し寄り道をして帰ろうと思う。
お母さんに渡す花を買っていこう。
そして、あっという間に
約束の日になってしまった。
ちゃんと事前に準備をしてきたので、
バタバタしなくて済む。
持ち物は財布、水筒とお弁当、あとはスマホ。ちょっとしたピクニックのようなものだ。そろそろ約束の時間だ。しっかり鍵を閉めて、家を出よう。
「行ってきます。」
待ち合わせ場所は小学生の頃よく遊んでいた公園だった。
私とまゆは、小学生の頃からの幼馴染だ。
だから、この公園でもよく遊んでいた。
まゆはここでよく怪我をして泣いていたけど。そんなことを思い出していると、まゆが向こうから走ってくるのが見えた。
「おぉ〜い!莉緒ぉ〜!」
その声はとても元気で、私の気持ちも明るくなった。
「まゆ、おはよう。走ったら危ないよ?」
「ごめんなさぁい」
まゆは笑いながらそういった。
まゆは今日のことをすごく楽しみにしてくれていたらしい。
「じゃあ、いこうか?」
「はーい!」
そして私たちは雑談をしながら歩き始めた。
「向日葵の里」を目指して_
スマホのアラームが鳴った。
身体を起こしながらスマホを手に取り、
通知の確認をする。
通知の数は多いのに、
どれも重要なメッセージではない。
そんな中、一件のメッセージが
私の目に止まった。
“莉緒、今週の日曜日遊ばない?”
まゆからのメッセージだった。
“もちろんいいけど、
夏休みの課題も持って行くよね。”
“ゔぅ…莉緒厳しい…”
まゆとなら、普通のやりとりでも
なんでも楽しい。
しばらくしてから、制服に着替えて
朝食を作る。今日は終業式だ。
明日から夏休みが始まる。
入学式の時は結べなかった
セーラー服のリボンも、
今は綺麗に結べるようになった。
炊飯器で米を炊いている間に、
冷凍食品をレンジで温めて、
水筒にお茶を入れて、炊けた米と
温めた冷凍食品を弁当箱に詰めた。
弁当に入らなかったものは
朝食として食べて、少しだけ残す。
残したご飯は仏壇にお供えした。
私が幼い頃、母は病死してしまったのだ。
私は母との思い出を覚えていない。
だから、遺影の写真を見てもよくわからない。
「お母さん、行ってきます」
終業式を終え、私はまゆと
下校することになった。
「ねえ莉緒、日曜日のことなんだけど!」
「うん、どこに行くかまだ決まってないよね。」
「そうそう!どこ行く?海とかープールとか〜!涼みたいよねぇ」
まゆはどうやら暑いのが苦手らしく、
夏は基本外にはでてこないのだ。
しかし本人は去年の夏、
あることに気づいてしまったらしい。
そう、ずっと部屋の中でダラダラ
過ごしていると太ってしまうことに…
なので今年は外に出てちゃんと運動をしようとして、私を遊びに誘ったということだ。
「う〜ん…どうしようかなぁ?」
まゆが真剣に悩んでいるのを見て、
私はあることを思い出した。
今日ポストを見た時、少し気になったチラシを持ってきたことを。
「…あ、ねぇまゆ、朝チラシをもらったんだけど…。」
「ん?なになに?『向日葵の里』?」
「そう、ここに行くのってどうかな。途中まで歩きだし、運動にはいいかなって」
「いいね!歩いて、ひまわりも見れるんでしょ?一石二鳥じゃん!」
分かれ道の近くに来た。
「ふふ、よかった。じゃあ他のことはLINEでやろうか。」
「うん!じゃあね〜‼︎」
この後は特に予定はないから、
今日は少し寄り道をして帰ろうと思う。
お母さんに渡す花を買っていこう。
そして、あっという間に
約束の日になってしまった。
ちゃんと事前に準備をしてきたので、
バタバタしなくて済む。
持ち物は財布、水筒とお弁当、あとはスマホ。ちょっとしたピクニックのようなものだ。そろそろ約束の時間だ。しっかり鍵を閉めて、家を出よう。
「行ってきます。」
待ち合わせ場所は小学生の頃よく遊んでいた公園だった。
私とまゆは、小学生の頃からの幼馴染だ。
だから、この公園でもよく遊んでいた。
まゆはここでよく怪我をして泣いていたけど。そんなことを思い出していると、まゆが向こうから走ってくるのが見えた。
「おぉ〜い!莉緒ぉ〜!」
その声はとても元気で、私の気持ちも明るくなった。
「まゆ、おはよう。走ったら危ないよ?」
「ごめんなさぁい」
まゆは笑いながらそういった。
まゆは今日のことをすごく楽しみにしてくれていたらしい。
「じゃあ、いこうか?」
「はーい!」
そして私たちは雑談をしながら歩き始めた。
「向日葵の里」を目指して_
