カフェとライター






黙ってどうしようかと思案する私に


静かに溜息をついた吐息が聞こえてきた後、さっきより柔らかい声音が降ってくる。


「お疲れ様でしたってLINEきてないかなって画面開いてみて、そーですよね、きてないですよねって通知なくてガッカリするの」

「………、」



私の顔を、挑発するような仕草で覗き込んだ知景。

す、と指の甲でこめかみあたりに触れられて、顔をあげる。




自虐気味に笑っている顔。

「ずっと、中途半端に逃げられたせいで拗らせてんの。
……迷惑かけたくなくて、でも手放したくもないの。
傷つけたくないけど、それでもそばにはいて欲しいってわがままなの」



真っ直ぐに見つめられて。こういう時の真顔は狡い。私を射抜く目に捉えられる。

「…アレ、俺は俺に対するラブレターかと思ったんだけど、違う…?」


ふ、と眉と語尾をわずかにあげられて。アレ。の意味はすぐにわかった。



だって、
私が戒李くんに届くように作ったものは、アレしかないから。




基本読まないと言う戒李くんを聞いてたから、もしかしたら読まれないかもしれないと思ったけれど。