軽く振り返って、彼によって閉じられたドア。驚く私と、私と向き直り見下ろしてくる瞳。ぱちぱち瞬きしてしまう私に
「……連絡してよ、」
ひら、と。マスクを取りながら言われる。
「………、」
この状況、ナニ??
「…なんて」
バクバクと脈打つ心臓が自分でもわかる。カラカラの口から、言葉を出せば、語頭の声は思った以上に小さい声になってしまった。
「なんて、連絡したらいいんですか」
連絡してと言われても。
そんな。
「なんでもいいじゃん」
「だって、その…迷惑じゃないかなって」
何て送ればいいのかわからなかった。どうしたらいいのかわからなかった。この密着で、多忙なスケジュール、どんな動きをするのか少しだけわかったから。
戒李くんから視線を外し、ちょうど彼の胸元のあたりで視線を泳がせてしまう私。
「迷惑だったら教えないでしょ」
優しいけれど
淡々と上から降ってくる言葉。
「業務連絡用かと思って…」



