カフェとライター




「最後の曲について、ちょっと喋っちゃおうかな」

ステージに腰掛けて、最前列の子と何かやりとりしてた光くんが、喋る。戒李くんは、マイクは持ってはいるものの、安定の喋らず。



遠くの方まで見渡して手を振って返している。

「アンコールの曲って毎回違うんだよね」

「そうそう。メンバーの歌いたい曲だったり、タイミングだったり意見するんだけど、」

「今回は全員一致だったよね」

おぉーと歓声が響く。



「まさか禅も同じ意見とは思わなかった」

「や、ほんと!」



珍しく新さんが驚いていて。

「いつも大体意見言わないけどさ、聞くじゃん一応」

「採用されないけど、言ってんじゃん一応」


「今回さ、まさかのね、」


ニヤリと、新さんが笑う。

「優しさ優しさ。今日はさぁー、もうこの歌入れなきゃでしょってさすがに思った」

新曲?新曲かなぁ?

ざわざわと、会場の声が聞こえる。

「メンバー想いの俺らで感謝してほしいよ」



「ほんと」

「じゃあ行きましょうかね」

新さんの掛け声で

だらっと自由にしていたメンバーが

中央へ集まって立ち位置にスタンバイする。

すっ、とメンバーそれぞれを追っていたライトが一瞬消えて、天井にブルーのライトが反転し、何の曲だろうと会場が静まり返る。