「ふぅ。今日はこれくらいにしとこうかな」

近所の広い公園を１０周して、私は家へ向かった。

別に、元々そこまで結婚に執着していたわけじゃない。
いつも何を言われても、大して気にしていなかった。
見た目や声や性格について何を言われてもどうでもよかった。

でも、自分の未来にまで踏み込んだ侮辱に、どうしても腹が立った。
見返してやりたい！初めてそう思った。

それからダイエットを開始して、メイクも勉強した。
たまたまクラスメイトが話しているのが聞こえてきて、
七海学園高校の存在を知った。

マッチングシステム”デステニー”に選ばれた運命の相手とペアになり、
金の夫婦の卵（ゴールデンカップル）を目指す――――。
卒業と同時に結婚、おまけに会社の社長に就任。
確かにとんでもない学校だ。母親が心配するのも当然。
でも私にとっては魅力的で、入学しない手はないと思った。
結婚して見返してやりたいとは思ったものの、相手を見つける自信は無かったから…。

自分磨きと同時進行で猛勉強を開始し、なんとか合格することができた。
あとは自分磨きを続けつつ入学を待つのみ…。



私の運命の相手は、一体どんな人なんだろう？

贅沢は言わないけど、素敵な人だったらいいなぁ。
そんな素敵な人に見合う女性になるため、やれるだけのことはやってきた。



そして迎えた入学の日――――