瞳の中で好きって言って

杉崎君の顔は、なんだか少し怒っているような気がした。

目が合ったのは何秒だろう。
3秒くらい?
表情の意味も分からないままに、顔をふいっと逸らされてしまった。

「あ、あの……」
「これでいいか?風呂入ってくる」
そう言うなり、杉崎君は服を手に取りお風呂場の方へ歩いて行ってしまった。

初めて会った日以来、やっと私の顔を見てくれた。
なのに、素直に喜べない。
あの怒っているような表情を見て、余計なことをしてしまったのかもと少し後悔している。
急ぐべきじゃなかったのか…杉崎君のタイミングを待つべきだったのか…。
ありえないけど万が一にも本当にペアがトレードになってしまったらどうしよう…。

「でも…」
冷静に考えてみれば、杉崎君にとっても私とのペアを解消した方が良いのかもしれない。
デステニーで選ばれた相手だからと頑張ってきたけど、もう潮時だろうか。

色々と悲観的な考えが頭をめぐる中、ハッとした。