朝のHRが終わると、スピーカーから大音量の声が流れてきた。

<皆さんおはようございます~す!今日も元気かしら!?>
<今日は新しい企画を思いついたから発表するぞ!>
少しざわつくが、突然の課題発表は日常茶飯事でもうみんな慣れている。
<明日から一週間、ペア同士で撮り合ったお互いの写真を1日1枚SNSにアップしてくれ!
 今回の課題専用のアカウントは後ほど各先生から伝えるからね!>
<”いいね”の数をもとに、1位から10位までのペアはポイントゲットよ♡
 素敵な写真を楽しみにしているわ~♡>
そして放送は切れた。

「えーやだー恥ずかしい!」
「俺写真撮るの得意ー♪」
「ちゃんと可愛く撮ってよー!」
教室内が急に騒がしくなる。

ちらりと杉崎君を見やると、思ったとおり憂鬱そうな顔でため息をついていた。
当然だろう。私の写真を撮るとなれば、カメラ越しとはいえ私の顔を見なければいけない。
どうしよう…。
顔がはっきり見えないくらい遠くから撮ってもらう…?
いやいや、さすがに毎日それだとまずいだろう。
こっそり自撮りで済ませる…?
いやいや、いくらなんでも恥ずかしすぎて無理だ。

…後で、杉崎君と話し合うことにしよう……。