「うわー…最悪」

閉じられたドアの向こうから聞こえてきたのは、
落胆する男の子の声だった。

彼は、私の婚約者になるはずの人―――。

顔を合わせてわずか数秒後の突然の拒絶に、
私は混乱した。

どうして?
髪もメイクも服も、全部バッチリなはずなのに…!
何日も前から考えて考えて、
SNSに載せた写真への反応もかなり良かった。

まだロクに言葉も交わしていない。

最悪?

最悪って何が??

最悪なのは、会って数秒でそんなこと言う男とペアになった
私なんですけど―――――!