寝顔を上桐に見られていたのがとても恥ずかしかった。
それにしても上桐…何か言ったのかな?
夢かな?
…気のせいかな?
「じゃあ私は日誌とノート提出するから先帰っていいよ」
私はクラス全員分のノートと学級日誌を持つ。
結構…重い……っ。
そう思っていると……。
「俺も手伝うよ、重そうだし」
「え…、でも…」
「早く帰って飯も食いたいし」
そう言った上桐はニカッと笑った。
そしてノートを半分以上持ってくれた。
「…ありがとう、上桐!」
私も上桐みたいにニコッと笑った。
上桐は優しい。
いつも何かと気を使ってくれる。
女の子の扱いとかにも慣れてるよね、上桐。
職員室に向かう途中、たわいもない話をして一緒に向かった。

「助かったよ上桐!それじゃ帰ろ!」
私と上桐は職員室を出て昇降口へと向かう。
上桐が半分以上持ってくれたお陰で軽かったしこけなくて済んだ。
よかった…。
「…雨、降ってるね」
昇降口に着くとすぐに雨が降っていることに気づいた。