そして…七瀬がパートナー交換をしたいと思っていることも。
それでも俺は…君を諦められないんだ。
「ごめんな、七瀬」
俺は君を手離したくない。
俺はスっと席を立ち、息を大きく吸って…。
「起きろ、七瀬っ!!」
そう大声で言った。
案の定、七瀬はビクっと肩をビクつかせて大慌てで起きた。
「うわぁ、なになにっ?!…って、上桐!私、寝てたの?寝顔見られたよね?恥ずかしい…」
そう言って顔を真っ赤にしている七瀬。
寝顔も今の顔を真っ赤にしている七瀬も可愛いよと心の中で呟く。
「日誌提出しなきゃなんでしょ?早くしな」
「う、うん!」
今はまだ友達でもいい。
でも…いつかは─。
「起こしてくれてありがとね、上桐!」
「じゃあ今日の飯は揚げフライで」
「え、条件付きなの?…わかったよ」
─いつかは君の隣に堂々胸を張っていられるのがいいな。