「あ、そう」
記憶を失う前から、なんら変わりない反応。
前もこんな風に無理やり納得させたことがある。
ついて来るなというと、必ずこういうアイル。
(…――っバリエーションが変わってない……)
ふと、窓の外を見る。
(…もう、夜が明けるな…)
「じゃ、行くぞ」
俺は二人に呼びかけると、荷物を持ち、玄関へと向かう。
「え、今行くの??」
「当たり前だ…もうすぐで、夜が明ける。今行かなくては、明日の今頃になるぞ」
何か不満がありそうなアイル。
「え――っ?」
「…何か不満でも?」
「…ありません……あっ、クロ!!」
何かを思い出したように突然声を上げるアイル。


