俺はアイルをおぶると、魔方陣を描き、呪文を唱えた。
移動魔法、通称テレポートだ。
黒い光が魔方陣からほとばしり、俺らを包んで、視界が真っ暗になった。
じきに光は消え、そこはさっきまでの城ではなく、あの森の入り口前だった。
…ほんとは宿屋に行きたかったのだが…
アイルを探すのに気力を使ってしまったため、あまり遠くまでいけなかったのだ。
ちっ
何でこんなときに…ただでさえ疲れてるのに、こんな状態のアイルおぶって宿まで…
…それよりも。
さっきのアイルの一言が気になる。
「誰?」
そう言ったアイルの瞳は、恐怖に揺れていた。


