めんどくせえ。

魔術がかけられている。


俺はルーゼをつかんでいるほうと反対の手を扉につき、一言呟く。


すると扉はいとも簡単に開いた。


〔行くぞ〕


そう呼びかけてルーゼのほうを見ると、死にそうな顔をしている。



(そうだ…ヘビも溺れるのか…)



〔もう少しだ。我慢しろ。〕


〔も…無理…〕


俺はルーゼをシカトして、扉の向こうを見る。


真っ暗で、何も見えない。


〔異空間だ…〕



〔へ!?異空間って…!〕


俺はまたルーゼを無視し、扉に飛び込んだ。