でも、あいつは自分が俺よりも強い魔力を持っている、と言うことを自覚していない。

実際、アイルと出会ったあの日、血の契約をしようとしたら一瞬だが、あいつからものすごい魔力が流れ出て、俺とアイルの間に結界を作った。


危なく契約が破棄になるところだった。


最近じゃもう、あの時より遥かに魔力は強くなっている。


だから時々、暴走すると大変なことになる。しかも本人は気づいていない。


悪魔は、人間よりも遥かに強い魔力、身体能力を持っている。
その中でも俺は、自慢じゃないが、結構強かったほうだ。


そんな俺の魔力を越すなんて、ありえない。


だが、あいつは魔力をコントロールできていないため、失敗ばかりする。


だからあいつは、自分の魔力が弱いと、大きな勘違いをしている。





そんなことを考えているうちに、小道に出た。小道の先には、大きな湖があった。


たぶん、あそこだ。


俺は再び走り出す。