良く見ると…

それは本当に小さいが、間違いなく…


ヘビだった。

そのヘビはアイルのポケットから降りて(と言うより落ちて)じっとアイルの顔を見つめた。


「へ、ヘビーーー!?」


アイルは驚いて後ろに二、三歩退いた。


「ななな、なんでヘビが私のポケットの中にいるの!?」


「きゅうん?」


ヘビは不思議そうにアイルの顔を見つめ続ける。


(何?何なの?…ああ、そうか!)


アイルは肩に掛けていたかばんの中を探ると、四角い小さな箱を取り出して、箱を開けると、中身をヘビに差し出した。


「はい、おなかすいてたんでしょ?」


箱の中身は、


クッキーだった。