「ありがとう、サン君」


「どういたしまして。それよりも、さっき言ってた、ピンクのお花って、ラリーフの花のことじゃない?」


「ラリーフの花?」



どっかで聞いたことがあるような…



「うん。その花は、においを嗅ぐと、その甘い香りで人を眠らせる効果があるんだよ」


「そういえば、私が倒れたのって、花のにおいを嗅いだ後だ…」


アイルは少し考えてから言った。


「やっぱり。でも、ラリーフの花の効果は、それだけじゃないんだ」


「それだけじゃないって…何?」


アイルは恐る恐る聞いてみた。


「ラリーフの花は……その人が一番大切だと思ってるものの記憶を………、忘れさせる効果もあるんだ」