はっとして、さっきまでニヤニヤしていたアイルは、サンと話していたことを思い出した。


「わわっごめんごめん!で、何かな?」


アイルは慌てて答えた。
それを見てサンは不思議そうに首をかしげるが、アイルに促されたので気にしないことにしたらしい。


「あ、うん。お姉ちゃんがここにいるのは、森の中でお姉ちゃんが倒れてたから、ぼくがここまで運んできたんだよ」


「あっ、そうだ…私、お花のにおいを嗅ごうとしたら、頭がクラクラして…って、サン君が一人で運んできたの!?」


サンみたいな小さな子が、一人でアイルを運んでこれるわけがない。


「うん。あ、でも、魔法を使って運んだんだよ。ぼく一人じゃ運べないし」


サンはアイルの勘違いに気づいて苦笑いした。


(なーんだぁ。それもそうだよね)