「一気にそんなたくさん答えられないよ…」


男の子は困ったように言うと、えっとね…と話し始めた。


「ひとつづつ言うよ。ぼくの名前は、サンルド・リリオル。サンって呼んでね」


サンは微笑みながら言った。


「サン君ね。私はアイル。よろしくね」


「よろしく。アイルおねーちゃん。それでね、さっきの質問に戻るけど、ここは森の中にある、ぼくの家。家というより、小屋のほうがあってると思うけど…」


(アイルお姉ちゃん!?ずっとクロと二人暮らしだったから、そんな呼び方されるの初めてだぁ)


アイルはサンの一言に、すごく感激して、目を輝かしている。


(クロはいつも「おまえ」か「アイル」だもん…)


「お姉ちゃん?どうしたの?」