悪魔と私



「貴様の俺様に対する態度を、一から教えなおしてやる、と言ってるのだ」

「だから、具体的に。内容は?」


「内容、内容……、何すればいいのだ?」


…分からないんじゃん!


「そうだな…まずは、その言葉遣いを直せ。俺様に対してはけ・い・ご、と何度も言ってるだろう?」

「はいはい、分かりました、ヴァン王子」

「ふん、よろしい」


そう満足げに微笑むと、ヴァンは「そういえば」と何かを思い出したように呟く。


「え、何か言った?」

「…そういえば、貴様は魔術を練習していたんだよな。
 …よし、俺様が教えてやろう」


その言葉に、アイルは一瞬フリーズした。


…あの王子が、教えてくれる?
確かに、一人でするより効率が良い。

…だけど、“あれ”がまともな教え方をするとも思えない。
正直言って、俺様、俺様って、何様ッ!?


うん。王子様ってのは分かってる。


でも、どーやったらあんなに我儘になるんだろう?