瞑っていた瞼を開くと、自分の部屋に戻っていた。
「ふぅ…人間界は魔力が薄いから疲れるな」
「精霊界は魔力がいっぱいなの?」
「ああ。魔界ほどではないがな。
ではお望みどうり、質問に答えてやるとするか」
そう前置きして話し始めた王子サマ。
「俺様は、精霊界闇国の第三王子、ヴァン様だ!本名はディラット・テール・ダーヴァン。根性叩きなおすと言うのは…言葉通り、叩きなおすのだ」
「ヴァンね、分かった。…それは良いんだけど、最後の答え、答えになって無くない?具体的に説明してよ。私、忙しいんだから早くしてよ」
本当のところ、暇で暇で仕方が無いが、このわがまま王子をうまく丸めるには、こう言った方が適切だろう。
「ふん、そんなことも分からないのか?」
「分かりません」
ボトッ、と床に転げ落ちるヴァン。
大丈夫かと、下を見下ろすとよくもやったな、とでも言うような形相で、こちらを睨みつけていた。
おいおい、勝手にお前が落ちたんだろ。


