「いいか、俺様のことは王子、と呼べ。さもなくば…分かっているな?」
ちら、と王子の後ろにちっちゃな鞭が見え、「はい…」と小さく返事する。
ミニサイズだからあんまり痛くは無いんだけどね。
「ところで、王子、質問があるんだけど」
「こら、敬語!…なんだ?」
王子は今、私の肩にちょこんと座っている。
大人しくしてれば可愛いのに。
「王子って何処の国の王子様なの?王子の名前は?根性叩きなおすって、何するの??」
「だから敬語って…まあ良い。お前は特別に許してやろう。と・く・べ・つ・にだからな!それより、一気に質問するな。答えられないだろう」
「ごめんなさーい」
で、なんなの?
という視線をさり気なく送ると、簡単にスルーされ、「ここじゃ話しにくいな。場所を変えよう」と言って呪文を唱え始めた。
この感じ、嫌いなんだよね。
何か変な感じするし。
…もう慣れたけど。


