「それよりも、お前…、いい加減、その変装…止めたらどうだ…?」
「しっ…黙ってください。血が止まりませんよ。…この格好では、治癒術使いにくいですねぇ…。しょうがない、貴方の言うとおり元の姿に戻りますか」
ポンッと音がしたかと思うと、あの金髪美少年のいたところには、彼の姿は見当たらず、代わりに黒髪長髪の美青年が立っていた。
青年はしゃがみ込むと、再び治療をし始めた。
「ふぅー…終わりましたよ。それにしても、この姿は久しぶりですねぇ…。鈍ってないか心配です」
「お前の場合、鈍っていたほうがちょうど良い位だ。それと前から言いたかったのだが…言葉遣いいちいち変えるの止めろ。調子狂う」
「そうですか?結構コレはコレで楽しいんですよ?」
楽しいとか言う問題じゃないだろ…。
「えっと…すみません、何が起こったんですか?」
声がして横を見ると、ルーゼがおろおろとした感じで訊ねてきた。
「結界です。アイルを何者かが操り、結界の中に連れて行った模様。わざわざ操って連れて行くのだから、彼女に危害は加えないと考えられる。よって、彼女は大丈夫です。安心してくださいね、クロード様」
ルーゼに淡々と説明した後、笑顔でクロードに向き直る。
クロードを安心させて、またあんな無茶をさせないように、ということだろう。


