「…こ…に……で…」
「え?」
「どうした?」
立ち止まるアイルにクロードが振り返る。
「何か聞こえなかった?」
クロードは耳を澄ましてしばらくいたが、結局「…いや」と答えて、アイルの空耳、と言うことで済まされた。
…空耳…?
たぶん、慣れないところに来たから、幻聴が聞こえたんだ…。
そう、勝手に自己解釈し、そのことはあまり気にしなかった。
だけど、空耳なんてものではなかった。
その後も何度かその声が聞こえてきて、だんだんはっきりしてきて、気になって
耳を澄ましてみると、男の人の声だと分かった。
きれいなボーイソプラノだ。
でも、その声はやはりアイル以外に聞こえていなく、仲間たちに変な目を向けられるので、その内声が聞こえても、口に出さないようになった。


