おおよそ、クロードが焦って魔術を駆使できなくなったのだろう。
(え、待ってよ。
…コレって、チャンスかも!?
じゃあ、こーしてあーして…。
よし、これだ!作戦開始!!)
独り作戦会議を終了したルーゼはそろそろとアイルたちのほうへと歩き(?)だした。
「あれ…?」
ルーゼが歩き出した方向に、見慣れた姿があった。
サンルド・リリオルだ。
サンは木の枝に座り、足をぶらぶらさせて楽しそうにクロード達を眺めていた。
「何やってるんですか?こんな所で。手伝ってあげればいいじゃないですか」
あちらに聞こえないよう、小声での呼びかけに、サンはテキトーに答える。
「ん?あー、君は…影が薄い君」
「はぁっ?僕にはルーゼ・カルットって言う名前があるんですー!!」
って言うかなんで、今ヘビの姿なのに分かるんだ?
もしかして、気配とか?
いや、その前になんで僕人間語喋れてるんだ?
ああー。頭がぐるぐるー…。