そうだ。

今、気づいた。



俺は、アイルに惹かれていたんだ――。




「…俺は、こいつの為だったら…死ぬ覚悟もできている」

「ふっ…そういう事か。お前…、こんな人間の小娘なんかに惚れたのか」


惚れ、た…?


「…そうかも知れんな」

「はははははっ」


いきなり大声で笑い出すガールに、苛立ちを感じる。


「何が可笑しい」

「はははっ…。人間と悪魔なんて、所詮合い逸れねぇ関係だ。悪魔は、人間を喰らう。そんな二つの種族が、恋愛だと…?笑うほかに何があるってんだ。しかも、お前のような奴が…」


俺はガールの言葉に心の中で微笑した。


(俺もこいつに会う前だったら、そう思ってただろうな…)


「人間とか、悪魔とか、そんなの関係無い。俺はアイルを守ると決めた」


出会った時、あいつが俺に言ってくれた言葉。

無意識に言葉に出ていた。