私にはもう、朝は来ない。

 一瞬でも、一秒でも、繭の存在を忘れることを赦してくれない。

幸せを感じているときぐらい忘れさせてくれてもいいじゃないか!そんなふうに繭に訴えたいが、赦してくれるはずがない。

何故なら、あのときに繭と約束したからだ。

 「うん、そうだね……」

ただそれだけしか返せなかった。

自分で自分の嫌なところを、触れたくなかったことをえぐってしまった。

自業自得か……。

 もう何も考えたくない。もう逃げてしまいたいと思った。

嗚呼、なんて自分勝手なんだろう。