繭の死から1ヶ月ほどが経った頃の放課後、私は久しぶりに想と一緒に帰った。

想は私と話したい事があると言っていた。繭の死からずっと想のことを避けていたからだろうか。

 私は繭が想のことが好きだったのではなく、私のことが好きだったと言われてから想とどのように接すれば分からなくなった。

いつも通り話すことが出来なくなってしまったし、今まで通り学校に行くことが出来なくなってしまったから。

 いつも自分の視界の中には繭が居る。

教室で授業を受けている時、私より1つ前の右斜め前の窓際の席にもう、いないはずの繭が窓の外を見ている姿が見えたり、自分の部屋にいる時でも、繭は棚の上に飾ってある私と繭のツーショットの写真を大事そうに見つめていたりと繭は私のそばに居た。