私にはもう、朝は来ない。

「どういうこと?意味わかんない……」

「そのまんまだよ?繭は流花が好き。ただそれだけ」

繭が私を好き?咄嗟についた嘘だと信じたい。けれど、思えば繭は想の方は全く見ていたなかった。サッカー部の練習を見ていたあの時も、サッカー部より私の方ばかり見ていた。

繭の気持ちは本当なのかもしれない。

でも、信じたく無かった。

認めたくなかった。

信じてしまったら、認めてしまったら、繭は本当に死んでしまう気がした。

仮に本当に3日後に死んでしまうかもしれなくても、その3日が思っているより、ずっと短く感じてしまう気がした。

だから、信じたくなかった。