「うん、そうしよ」

「じゃあ、決まりだな!」

そう言ってニカッと笑うあなたの笑顔を目に写すと繭の悲しそうな顔が頭に浮かんだ。

その後のファミレスまでの道での会話も、ファミレスで食べたあのスパゲッティの味も、ファミレスからの帰り道での会話も、全部頭に入ってこなくて、何も覚えていなかった。

私はただ、ぼんやりと窓の外の風景をあの、どこまでも深い藍色の空を見ていた。

それがなんだか心地よかった。

それから数日後、気づいたらあの藍色が私の心を蝕み始めていた。