私にはもう、朝は来ない。


 私は、朝の言葉が頭から離れなかった。

 繭の何処か寂しそうな顔、私の断言出来なかった言葉。 

 私が言い放ったあの言葉を聞いた繭はどう思ったのだろう。

 忘れようとすればするほど頭から離れなくなる。

忘れてはいけない事、逃げてはいけない事、そう言っているかのようでとても気持ち悪かった。

そして、なんともいえない苦しさが私を襲う。

自分でも分かっているのに。

何だか馬鹿みたいだとも思えた。