「その点、夜紘は自分がやりたくないことは、きっぱり嫌だって言えるからすごいよね。僕はそれができずにいい子を演じちゃうから。でもその結果、僕と夜紘に大きな差がつくとかなくてさ。夜紘は僕と同じくらい……もしくは僕を超えるときだってあるから才能なのかなぁ」



「…………」



「僕ずるいんだよ。周りからの評価をあげるために、何もかも完璧にこなす優等生のフリをしてるだけだから――って、ごめんね。なんか重たい話になっちゃったね」



「あ、謝らないで……っ」


気づいたら大きな声が出ていた。



「わ、わたしの前では無理しないで。わたしじゃ頼りないかもしれないけど、陽世くんが抱えてる負担ちょっとでも減らしたいの」



きっと周りのみんなは、陽世くんは完璧で弱いところなんかないと思ってる。