さっきからずっと、計測器の針が基準値を超えたまま。


「……どーだろ。もともとそんなあてになんないやつだろうし」


少し前、キッチンで叩いちゃったときに壊れたかもって思ったけど。


それとも……いま夜紘くんにドキドキしたのに反応してる……のかな。


夢の中の男の子と夜紘くんは、きっと別人。


だって、もし小さい頃に出会っていたら、どちらかが覚えてるだろうし。


それに……わたしが唯一その男の子の特徴で覚えてることがあって。


右側の首筋に……ほくろがふたつある。

でも、夜紘くんにはそれがないから。


それに、その男の子は髪色が明るかった。


今の夜紘くんと正反対なくらい。



だからきっと、わたしの初恋の男の子は別にいる。