「はあー!ありがとう爽玖くん。」
「?」
「爽玖くんのおかげ。心の中の言葉を言えるのは爽玖くんの前だけだよ。
ありがとう」
最後のありがとうにすべてを込めて、感謝した。
爽玖くんは、無表情だった。
「…なんで俺の前だけ」
それが疑問に思っていたらしい。さっきまでのトーンとまた違う。
「わからない」
ほんとうに。わからない。
でも、よかった。言える人なんか、きっと少ないと思うから。
そして、椅子に再び2人とも座る。
「それで?爽玖くんはどうして自殺なんか……??」
夏の教室は暑く、汗がかいている。夏の青空は、どうしてこうきれいなんだろう。