死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

爽玖くんは何故か目を大きく開き、驚いている。


「なんで自分で、聞いたのに驚いてるの」

私は笑いながら言う。


「あ、いや。別に。なんか嬉しくて」

少しだけほんのり頬が赤くなっている爽玖くん。照れているんだとわかる。


「爽玖くんってさ。勉強とかできるの?」


話題として、話をかけてみた。

それに、彼を知るチャンスになるかもしれない。


「うーん。ご想像におまかせします」


ご想像に…?

け、結構できる方?いや、爽玖くんだ。私と同じように窓の方を見ているような人かもしれない。失礼だけど。


わからない…。


「えー…じゃあ、国語のテスト…見せてくれない?」


「はい。」

いやわたすんかい。

すると、爽玖くんは隣に置いていた学生鞄の中から、一枚の紙を取り出した。


あ、でもイヤイヤ渡しているのかも…。


「ごめん嫌だよね。テストの点数なんか−」

ペラっ


〈97点〉


…点数はいいのか。


「な、なーんだ。いいんじゃん点数…」


「ふん。俺の点数悪いとか思ってたくせに」

「ち、違うよ!」

必死に隠す。まあ思っていないわけではなかったが。


「あ、俺の数学の点数見ます?」

それ…絶対いいんじゃん…。


「えっ」

思わず声を出して椅子から勢いよく立ち上があってしまった。

また私に机に広げて見せてきたプリント1枚には


〈3点〉


「おお……」

えっ、さっきの97点との違いすごすぎないか?
教室に私の驚き声が響く。

97点と3点という違いの人始めて見た…。


「ふん。3点の人に失礼ですよ」


ぷんぷん怒って腕を組んでいる爽玖くんに「ごめん」と謝り椅子に大人しく座る。


「いや…えっ…違いがすごいな…って」


「そうですね。たしかに」


「今思ったの!?」


「まあ」


「そ、そうなんだ…。国語…得意…なの?」


「まあ。好き…かな。」


「ふ、ふーん?」

好きなんだ国語。