熱があるのかと思うほど、赤い。梅干しみたいな色になっていたので思わず笑ってしまった。
「は?何笑ってるんですか?」
「あ、いや…だって顔爽玖くん梅干しみたいな顔色になってたから…。」
すると、爽玖くんはムスッとした顔をした。
これは怒っているから顔が赤いのか、その他の感情なのかわからない。
「ごめん爽玖くん…怒ってる…?」
「別に。」
「いや、絶対怒ってるよね!!それ!
ごめん…。無責任すぎるよね…。自分らしく生きていいとか言って…。」
「違う」
小さい子を指摘するような声で言った。
「え…?」
「俺が怒ってんのは、そんなんじゃなくて」
急に、声や態度や敬語がなくなる。
その目は、黒いけど、優しい黒。
「俺が自分らしく生きていいとかなんだったら、夏菜さんも…自分らしく生きて…下さい…よ…」
「…なんで」
なんで…、私が自分らしく生きられないと知っているの…?
まるで私を知っていたかのように。
「ごめんなさい。色々言って。ちょっとなんだかしんどいので今日は帰ります」
私は何も言わず、うなずいた。
「あの、夏菜さん。一緒に…帰りませんか?」
「え、?」
予想外な爽玖くんの言葉が出てきて驚きを隠せていない。
「あ、うんいいけど…」
時計の針は、まだ5時も回ってなかった。
私は学生鞄を持ち、爽玖くんも同じように、学生鞄を持って、扉を開けた。


