死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。

次の日。放課後。



「爽玖くんって、好きな食べ物は?」


私は少し興味本位で聞いてみた。

細い爽玖くん。どんな物が好きなのか気になった。


「…」

少しの間、沈黙が続く。爽玖くんは一生懸命考えてくれている。



「…全部、嫌いです」



「…えっ?」

聞き間違えかと一瞬思ったが、爽玖くんは困ったようにもじもじしていた。


「、ごめんなさい。家でも、あんまり美味しいもの食べさせてもらえなくて」




「…給食とかは?」



「んー…あんまり…。ないです」



「そ、そっか…。大丈夫?叩かれたり…」


「最近はないです。
俺、家庭のこと始めて夏菜さんに話して、色々と考えたんです。

で、結構俺も言えるようになって。
それで、まあマシには」



私のおかげ?なのかはわからないが、役に立ってもらえているらしく、本当に嬉しい。



「おお!よかったね。人に悩み相談したりしたことなかったな。今思えば」


どんなときも。親友がいたりもしたが、相談したいと思うことは…なかった。


「俺も。始めてです。」


爽玖くんは変わらず無表情。



「そっか。なんかうれしい」



私は笑う。ホントの笑顔で。