「それでなんだけど」
「は、はい?」
「えっとぉ、私の好きな男の子がね。
犬好きで飼ってるんだけどさ、私の犬を今度紹介する!って言ったんだけど、
もうすぐ受験とかもあるでしょ??
だから、会えないなぁって思って、その…学校に…持ってきちゃったよね。イヌ」
「あ、ああ。」
恋する乙女なんだ。緑さんは。
私はあまり恋をしたことがないので、その心情が全くわからない。
「で、近づきたくて…。じ、実は、その犬、私のじゃ…ないのよ」
「、え?」
思っていたことと違う。
でも、そうとなればあの悲鳴も説明がつく。
「いとこの犬なの。その人に近づきたくて借りたんだ。ホントは飼ってないんだけどね」
「へ、へぇー………」
緑さんは頬を赤くしながら話していた。
嘘なのに、誤解が生まれたりしないだろうか。
その男の子ってどんな子なんだろうな。


