死にたがりやな君は、わたしのヒーローでした。




「………ちっ………」

思わず舌打ちをしてしまった。
ごめんなさい。また叩かれる…かも…



「ちょっと?舌打ち?ひどいなぁ」

そう言って、彼女は笑っていた。



「ごめん…なさい…」

いつも通り謝罪。


「ふふふ。大丈夫。」

明るく、天使のような人だった。

こんな人と話したのはいつぶりかな…



「君、名前は?」

俺は黙っていた。言わないといけない。けど…。

「言いたくない?」


優しく、語りかけてくれた。


「……言いたくない…です…この名前…大嫌いだから」



「えー?そうなの?嫌いでも、君の名前なんでしょ?」


「………はい」


「あ、でも私もね。自分の名前嫌い」


「そうなんです…か……?」


「ふふっ。私は正義のヒーローだもん」


「正義の…ヒーロー?」


「そう!辛かったり、怖かったら助けてくれるの。今あなたを駆けつけて助けた!私はヒーロー!!!!」

ガッツポーズしてる彼女。


「はははっ」






わらっ、た………俺は今…笑った…


彼女は、笑えない俺のことを知らない。


だから、俺が笑っても何も思わないんだな。



「でね!私、今あのヒーローアニメに夢中で−」