おかえりの言葉(短編・完結)

飽きるほどメイド喫茶に行っていたとは知らなかった。


いつからそんな欲求があったのだろう。


「ミーさん…」


そう言いかけてやめた。
 

建人の恋人の美和はメイドには向いていない。


彼女は建人の顔色をいつも窺っていて、行動も言動もビクビクした人だ。
 

だからと言って建人のために何かしてあげたいというタイプでもない。


どちらかというと、健人がどうして自分のためにこういう事をしてくれないのだろう。


どうしたら自分を幸せな気持ちにさせてくれるのだろうとばかり考えて信弘に訴える人だ。